はじめに

私とやきものとの出会い

私にとって、やきものの魅力とはなんなんだろうか・・・

そもそも、私が焼き物に興味を持ったのはかれこれ30年近くも前の事で、 日夜コンピユーターに追いまわされていた時に、とある銀行の応接室に飾られていた 志野茶碗の何とも言えない素朴さに心を撃たれたあの時からのような気がする。
それは作者の技量や、人間性によるものもあろうが、人間が何か行き詰まった時の、 土や水への回帰性のような気もする。
以来、何時か時間が出来たときは自分でも..という思いを持ち続けてきたが、 何分仕事に追いまわされてせいぜい美術画廊を覗く程度で土に触れることができなかった。
幸い、還暦を前に多少時間的に余裕が頂けるようになった時、ちょうど読売文化センター に陶芸教室が開講したので、やっと想いがかなったような次第です。
それから早くも三年半が経ち、作品の巧拙はべつにして、ロクロを廻している時は時間の 経つのも忘れる至福の時を頂いております。

改めて知る奥の深さ... 三年やそこらで、人様に喜んで使っていただく程度に上達することを願うのは無理な話ですが、 だんだんと奥の深さを感じる今日この頃です。
思えば、大地から得られた土が、厳しく、神秘的な炎によってもはや大地に帰る事の出来ない やきものに生まれ変わるのである、そんなに簡単に人間が操れるはずがないのが当然であろう。
その道の人によると..土揉み三年、ロクロ九年...と言われており、又プロに成るには6000時間 の修行が必要ともいわれている。(これは、毎日 2 時間を八年間励んだ事になる)

しかし、プロに成ろうとする人は別にして、人様に喜んで使っていただける程度になり、老後の 楽しみの一つにするには別に急ぐ必要も無く、楽しく有ればそれで十分である。

そんな中で、このホームページは、私が失敗したことや、教室で講師に教えていただいたことを自分が忘れ ないように整理した個人的メモの類と解釈頂けば幸いです。

また、陶芸教室の研究科の皆様には、受講中の講義内容をまとめて行きますので、不都合等が有りましたら、 その都度ご指摘をお願い致します。


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